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年が若ければ若いほど、むしろ逆に、個人の免責を手に入れたいがために会社を清算するというほうがふつうかもしれません。
社長個人の免責の問題は、本人にとってはもちろん、まわりの人にとっても、いろいろな意味でまことにセンシテイブです。
個人免責の微妙さは弁護士として何度も経験してきました。
現行法では、個人の免責を手に入れる方法は、破産法の適用を受ける場合と民事再生法の適用を受ける場合の2つしかありません。
民事再生法は法人にしか適用がないと思い込んでいる人が不思議に多いのですが、個人にも適用があることをしっかりと理解してください。
破産法の適用を受けて個人の免責をねらうには、通常、会社についても個人についても自己破産を申請し、それと同時に個人の免責の申立をするという方法をとります。
会社についての破産手続きが終了してから個人免責の手続きが始まります。
財産を隠匿しているとか、破産に至る過程が「汚い」という場合は別ですが、審理が始まってからだいたい6カ月で免責決定が下ります。
破産法の適用を受けて個人免責を得る場合は、個人財産は(生活に必要な最低限の財産は法的に保護されますが)全部吐き出さなければならないことはもちろんです。
これに対して、民事再生法の適用を受けて免責を得る場合は、民事再生計画を作成し、ふつう、再生債権者の債権総額の2分の1以上の賛成を得て裁判所の認可を得れば、再生計画の内容にしたがい免責されます。
再生計画の内容とは、10年以内の一定期間、分割払いを続けるという形になります。
もちろん、分割弁済期間がもっと短期で終わる場合もあり、その事案によって違ってきます。
代表者個人が連帯保証人になっている場合で、その個人所有している不動産に抵当権が設定されている場合であって個人に収益がない場合は、その不動産を任意に売却し、売却代金を一括して支払い、分割払いはなし、残余の債務については免責になる、ということが多いでしょう。
民事再生法の適用を受ける場合でも、会社を再建する型だけではなく、申請会社を再生しないで、会社としては消滅させてしまう「清算型」と呼ばれている形があります。
民事再生法でいう民事再生とは、事業を再生させるのであって、法人を再生させることではないからです。
民事再生法は、不良債権の処理とか、文字どおり破産手前の企業を再生させる手段としてきわめて優れています。
この意味で、民事再生は会社分割と同じ目的に貢献するものです。
なにが違うのかと問われれば、会社分割は裁判所の手をわずらわせない手段ですから、事案の置かれた複雑な状況に自由に柔軟に対応できる点です。
ただ、振り出した手形の期日が近々に迫っているが、手形を落とす力がもうないとか、すでに債権者から訴訟が提起されているとか、仮差し押さえ、仮処分によって会社の財産が押さえられてしまっており、それらの財産がなくなれば会社はもう生きてはいけないといった状況下では、民事再生のほうが優れています。
民事再生法には、裁判所から手形の支払いを停止する命令を取得できたり、訴訟、仮差し押さえや仮処分の手続きを停止してしまう強権発動が用意されているからです。
ですから、民事再生のほうが、万事、穏やかで無理がないといえます。
しかも、会社と代表者個人の両方について、民事再生法の適用を申し立てるときは、個人に要求される手続き予納金はきわめて低額ですみます。
たとえば、東京地裁やさいたま地裁に、負債総額6億円程度の会社について民事再生法の適用を申請しても、予納金は500万円もかかりますが、代表者個人も一緒に申し立てれば、代表者個人の連帯保証総額に関係なく、一律25万円ですみます。
弱小・同族会社の場合によくみかける事例で、代表取締役社長のほかに、子どもや妻まで連帯保証させられている場合があります。
このように、代表取締役でなくとも、会社のために連帯保証させられている代表取締役の親族についても、個人の民事再生の申立にともなう予納金は一律25万円ですみます。
なお、この予納金は、なんのために裁判所に支払うかといえば、裁判所が事件ごとに指定する監督委員(地元の若手弁護士が選任されるのがふつうです)のいわば人件費です。
監督委員というのは、裁判所の指揮監督下で、民事再生申立人の法律行為、金銭支払行為を個々的に承認したり拒否したりして監督する人のことで、いわば裁判所の下請けといった役まわりです。
子会社の事業全部に将来性がないわけではなく、将来的に収益見通しのある事業がある場合には、新設・人的・按分分割と特別清算の組み合わせが適切だろう。
思い切って資産だけを乙会社に移転し、負債はできるかぎり甲会社に残すという会社分割の手法を使うと、乙会社は会社分割の直後から資産内容がよく、収益性の高い状況を実現できる。
「親会社が子会社に対する不良債権を処理したい場合」というのは、おそらく親会社が株式上場に向けて準備を始めたいというような場合でしょう。
親会社のほうに収益があり、不良債権処理による損金を計上するだけの体力があるということでしょう。
不良債権の処理方法には、状況に応じてさまざまなものがありますが、グループを構成している子会社に対する不良債権を処理するという局面では、とりうる方法が制約されるでしょう。
そのうちでも会社分割を駆使した不良債権処理方法はスマートな方法といえるでしょう。
親会社が子会社に対する不良債権を処理したいという場合の事実関係は、親会社が子会社に貸付金等の資金援助をした結果、各種債権を有しているが、収益性の厳しい事業を子会社に押し付けてきたため業績が思わしくなく、資産内容が悪くなり不良債権化したというような場合が典型的でしょう。
このような場合は、子会社が親会社の、いわば犠牲になってきたわけですから、不良債権だからといって子会社をつぶしてしまうわけにはいかないでしょう。
といって、子会社をそのまま放置できないという場合には、会社分割は巧妙な方法を提供します。
特に、子会社の事業全部が将来性がないわけではなく、子会社の事業のなかには、将来的に収益見通しのある事業もある場合には、新設・人的・按分分割と特別清算の組み合わせがもっとも適切だろうと思います。
要するに、いままで述べてきた方法の応用編です。
新設分割により、孫会社を新設して、収益性のあるB事業を移転します。
親会社は子会社の発行株式の全部を所有しているでしょうから、人的分割(分割型分割)の方法をとれば、新株は全部、親会社の所有となります。
将来性のある事業は新設会社に移転し、将来性のないA部門は子会社に残ります。
「税制適格」の会社分割をするうえで、困難はまずないはずです。
会社分割手続き終了後、分割会社は財産を処分し、解散して、清算手続きに入ることになるでしょう。
解散した会社は債務超過になっていることが多いでしょうし、親会社の分割会社に対する債権全額の貸倒計上を実現するためには、分割会社が清算するだけでは不十分で、商法上の特別清算に入る必要があるでしょう。
親会社が上場に向けて不良債権を処理しようという場合には、子会社甲に対する数多くの債権者たちに、甲会社に対する債権の回収の機会を与えないわけにはいかないでしょう。
このため、債権者に対して、公告も催告も省略しない手続きになるでしょう。
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